注文住宅の留意事項

注文住宅の建築計画を進行させる際には、様々な不確定要素が存在します。それ故、留意しなければならない事項( 注意点)も多岐に渡りますが、ここでは主な3つの事項について概説いたします。

 ①費用総額:注文住宅の費用の総額はなかなか決定し難い事項です。これは、構造材(土台、柱、梁)、内装材、設備機器、外装材、屋根材など様々な材料について必ずしも汎用品を使用するとは限らないこと、そして、建物形状の施工性が難しくなる傾向が多いことなどが原因となります。潤沢な資金がある場合は別ですが、そうでない場合には、設計の早い段階で概算費用を、その都度建設会社から算出してもらい、費用の調整をしながら設計を進めるようにしてください。

 ②安全性:注文住宅を計画する際、安全性が問題になるケースも頻繁に見受けられます。特に広いLDKや、吹抜け、スケルトン階段、大きな窓などがその要因となります。このような空間を設計しても、構造計算上は問題なく建築基準法の規定はクリアできているのですが、実際の地震や台風の場合、建築基準法上のモデルとは違った形での外力の掛かり方も想定しなければなりません。あまりにもバランスの悪い空間は、見合わせるのが賢明であると思われます。

 ③快適性:快適性はと雨仕舞、気密性、断熱性のことをいいます。注文住宅で快適性が問題となる場合は、複雑な形状で防水性能が不十分となり雨漏りをすること、施工の誤差が大きく気密性を欠いてしまうこと、大きすぎる窓や吹き抜けのため断熱性能が発揮できなくなること等が見受けられます。これら快適性能を低下させる要因も複雑な形状やアンバランスな空間が根本原因の場合が多いので、計画の際は注意をしながら進めてください。